発掘調査では、建物の柱穴や溝といった遺構を検出して慎重に掘り下げます。
この後、形状や遺物の出土状況を測量し、状況を写真で撮影するなどの記録を取っていきます。
・・・が、これだけでは終わりません。

その遺跡を後世に伝えることも大切な役目です。そう、発掘調査は調査報告書の刊行をもって終了するのです。
 遺跡から出土した土器や石器などは、洗浄、乾燥後に復元され、本来の形を取り戻します。
そのひとつひとつが、古代人が生きた証しであり、今を生きる私たちが歴史を振り返る手段となります。
まさに「温故知新」と言うことわざ通りです。
 さて、その過去の遺物を報告書に掲載するためには・・・。
やはり、測量して実測図を作成します。
寸法だけではなく、色や土質、焼き具合、どのような工程で作られたか等、事細やかに記録していきます。
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土器実測やってます!
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実測「七つ道具」
 こうした測量をするためには、三角定規やコンパス、キャリパー、ディバイザー等々、一般には馴染みのない道具を駆使します。
 ここで活躍するのが真弧(まこ)と呼ばれる竹でできた形取り器。
僅かな凹凸までしっかり写し取れます。
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真弧を使ってます。
 その昔、お世話になった調査員さんは機織り機の筬をバラシて作ったお手製の真弧を愛用されてました。
この方の真弧は手に馴染み、使いやすかったなぁ。学生ながらホント譲って欲しかった。
家の納屋にあった古い機織り機を壊して、自分なりに作ってはみたものの、どうもうまく土器の形が写せない。
結局、私は発掘調査のバイト代で既製品を買いました。
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紹介します! マー子です。
 しかし、この娘ともかれこれ30年以上の付き合い、もうマー子と呼んでます。
 だいぶ色あせたけど、手に馴染んで使いやすい!
 ほんと、これからもヨロシクね。