埋蔵文化財とは?

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埋蔵文化財とは、土地に埋蔵されている文化財(主に遺跡といわれている場所)のことです。

1950 (昭和25) 年の文化財保護法制定に伴い、新たに設けられた法的概念で、これまで一般に知られていた「城跡」「古墳」「貝塚」などの地表の観察で明らかなものの他に、土中に埋没していて、にわかにその存在がわからない文化財も含みます。
埋蔵文化財は「遺跡」「遺構」「遺物」をさし、地中の文化財とも言われています。

なぜそこが「遺跡」だと分かるかというと、地表に土器片などがあることで、埋まっている可能性が出てくるからです。
土には色や質の変わる境目がありそこをきれいに掘り抜くと「遺構」と呼ばれる昔の建物や川などの形が浮かび上がってきます。

また、「遺物」と呼ばれる昔の人が残した土器や石器などが出てくることがあります。
こうした埋蔵文化財は、日本人や日本の国家の成り立ちを探る貴重な歴史資料であるのみならず、日本人の文化的伝統や技術の発展、他民族との交流をたどる重要な資料でもあります。
埋蔵文化財包蔵地(遺跡・遺構があると予測される地域)の開発には、行政機関の指導を得て埋蔵文化財の調査を行う必要があります。
さらに、出土した土器や石器などの遺物は『遺失物法』によって落し物として扱われたのち、国民共有の財産になります。

発掘調査(現場)の流れ

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1.着工前、草を刈って
表土を剥ぎます。


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2.上のほうの土は
荒れているので、
ある程度の高さまで
重機で掘っていきます。

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3.ある程度重機で掘ったら
遺構があるであろう層まで
土の色を見ながら
人力で掘っていきます。

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4.遺構面検出完了



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5.学芸員が引いた
遺構のラインの中を
掘って行きます。

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6.土器が出土したら、
土器の表面を
出していきます。

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7.土層断面、遺構、
土器、全景等
様々な記録写真を
撮影していきます。
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8.写真とあわせて
図面や高さも
記録を取っていきます。

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9.撮影、測量後、
取り上げます。

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10.完掘。


道具紹介

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発掘調査を行う上で利用する、基本的な道具をご紹介します。

大まかな作業、広い範囲の作業は長い道具類で作業します。
主に土を掘ったり、削ったり、剥いだりします。

遺構の掃除、掘削、土器出し等、細かい作業をする時は小さい道具を用います。

この他にもたくさん道具はあります。

表土を削る

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調査したい目的の層を出すために、誘導員の指示の元ある程度の深さまで重機で掘ります。

重機で掘る段階から平らに掘るように気を付けます。
重機で平らに掘るのは難しく、微妙な操作感覚が求められます。
そして、掘削を誘導する手元作業指示者の指示も重要になってきます。
重機に乗った人が一人で掘っているように見える作業も実は誘導する作業員との連携が大切なのです。

遺構面検出

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ここでも平らになるよう意識して掘り進めていきます。
目的の高さまで掘ったら「精査」します。
「精査」とは手ガリ(両手鎌)等で平らに削り出す事をいいます。
人力なので重機掘削の時よりも、より平らでムラの無いように仕上げます。機械から人力に移行するにつれ、平らにする精度は上がっています。

精査が済んだら学芸員(行政担当者)が遺構(柱や住居の跡、穴、溝、川等の痕跡)の有無をチェックし、スプレーや釘でラインを出します。

遺構を掘る

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遺構が必ずライン通りになっているとは限らないので、土の色を見ながら慎重に掘ります。 柱、住居、お墓の跡、溝、川 等々… 現場には様々な種類の遺構が存在します。

ピット(主に柱の跡)の、どこに「芯(柱)」があるか確認をするため、「段下げ」をします。
「段下げ」とは、よりはっきりと色の差がわかるように、全体を数cm掘り下げる事をいいます。 ピット以外でも、慎重に確認したい時に段下げをします。段下げ後、学芸員が芯の位置の確認をし、またラインを引きます。
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芯のラインが引かれたら掘って行きます。中に充填されている土の質で、柱が腐って土になったか、昔の人が抜いて他の土を埋めたかが分かります。 柱が残っていたりもしますし、人的に埋められていた場合土器が出土したりします。

土器が出土したら、土器の表面を出していきます。
この時、勝手に取り上げてはいけません。
土器が動かないよう土台を残しながら周りの土を掘り下げます。取り上げは、写真撮影と図面など測量が終わった後に行います。

撮影

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鮮明な記録写真を残すため、撮影前には被写体を清掃します。

広い範囲の撮影は、足場を組み立てて、その上から撮影します。また現場状況に合わせて、高所作業車を使用し撮影することもあります。

発掘現場の全景は、ヘリコプター、ラジコンヘリ、ドローン等を飛ばして空撮を行います。
空撮は、時間が決まっているので清掃や片付けを時間内にしないといけません。
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わかりやすいように、遺構に白いラインを入れる時もあります。

実測

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・平板→調査区全体の略図        
・断面→壁やセクション
 (土の堆積状況を調べるために残しておいた土)の図
・平面→遺構を上から見た状態の図  
・エレベーション→奥行まで描く、立体的な断面図
など、様々な実測を行います。
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アナログ実測
詳細な図面は手で描きます。
近年ではデジタル測量も積極的に取り入れています。
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デジタル測量
より精度が高くなり、
作業時間も短縮することが出来ます。