燕子花
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桜の季節が終わり、青もみじも鮮やかな初夏を迎えようとしています。
でもその前に、5月と言えば燕子花(カキツバタ)の季節。
皆さま初夏の訪れを感じてくださーい。
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大田神社(京都市北区)
正面右手、ツツジの後方に「大田ノ沢」が広がっています。
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観光客も少ない、静かな神社です。
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大田の沢
国の天然記念物。燕子花の群生地です。
向かったのは、上賀茂神社に程近い大田の沢(京都市北区)。ここは野生の燕子花が群生しておりその数2万5千株、国の天然記念物に指定されています。
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沢一面に咲き乱れています!
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カゴカエル
よく見ると卵が!!
また、この沢に注ぎ込む小川には、たくさんの「タゴカエル」が生息しており、素敵な鳴き声を発していました!
このカエル、清流を好むことで知られているそうです。
この沢で詠まれた和歌があります。
神山や おほたの沢の杜若 深きたのみは 色に見ゆらん
(意:上賀茂さんへの切なる願いは、大田の沢の杜若の色に表れているみたい)
この歌、平安時代の歌人藤原俊成が詠んだもの。大田の沢は古くから人々に愛されていた所なんですね。
さて、この俊成、藤原定家の父親なんですが、91歳まで生きたご長寿さん。当然、人生の酸いも甘い知っている方で、物事の奥深さをたくみに表現する「幽玄体」という技法を完成させた歌聖と称されえる人物。
で、彼の恋愛の歌で知られているのが・・・
七夕の門 渡る舟に梶の葉に 幾秋書きつ 露のたまづさ
(意:七夕に彦星が天の川を渡る舟の梶ではないけど、楫の葉に涙で綴ったあなたへの恋文を幾秋書いたことでしょう)
ラブレターやのに奥深い表現やなぁ。
まぁ、人生後半にさしかかった私の心情は、こっちの方かな。
かきつばた 丹つらふ君をいささめに 思ひ出つつ 嘆きつるかも
(万葉集 詠み人知らず)