三月です。雛祭りでーす。
 三月、和名月名では「弥生」です。語源は草木が芽吹く、弥(いや)、生(おい)からきたとされる説が有力だとか。寒い冬が終わり、草木が芽吹く季節。響きといい、意味合いといい、とても素敵な言葉です。
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雛人形は女の子の楽しみ!!
 さて、三月二日は何の日か知ってますか?「桃の節句」の前日という訳ではありません。
この日は考古学で言う時代区分が成立した切欠になった大発見の日でした。
 今から137年前の明治十七年三月二日、東京府本郷区向ヶ丘弥生町(現在の東京都文京区弥生二丁目)の向ヶ丘貝塚で、赤い素焼きの土器が発見されました。それまで知られていた縄文式土器や古墳出土の須恵器とは明らかに違う形、色、薄さ、出土地の地名を取って「弥生式土器」と命名されました。
 後に稲作や金属器などが大陸から伝来し、我が国に稲作文化が花開いた時代に使用されていた土器と定義され、「弥生時代」という時代設定が生まれます。
 また、縄文時代は狩猟採集社会、弥生時代は稲作を中心とした生産社会という概念が成立することになります。
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九州の弥生土器です。
出典 岡部裕俊「井原塚廻遺跡の再検討」
『伊都国歴史博物館』紀要第11号 2016
 小中高と歴史の教科書に出てくる「弥生時代」という単語。
 まったく、偶然ですが、弥生の月に弥生町で発見された土器がそのはじまりです。