私は運動が苦手なのですが、なぜか剣道をやっています。
稽古の前に正座をし、目を閉じて座礼。そして面を付け、相手に向かって無心で打ち込む。
武道ですから、強いも弱いもない。相手に礼を尽くしてひたすら打ち込む。打たれるのは自分の心が弱いから。そう剣の道は精神修行です。
幕末までは「剣道」という言葉はなく、「剣術」と呼ばれていました。江戸時代は太平の世とは言え、剣術は侍が相手を殺す術には変わりなく、多くの流派が乱立しています。
その後、明治の帯刀禁止令で武士階級が消滅し、剣術を磨く意味がなくなりました。
この頃から真剣は木刀や竹刀に、また、明治の頃には剣の修行には精神論が加わります。
そして大正元年(1912)、乱立していた各流派の形が統一され、現代「剣道」の基礎が成立したと言われています。
と前置きはここまで、今回は「二天一流」という二刀流を完成させた武蔵の激闘の地を旅します。