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姫路市立美術館 特別企画展「小川晴暘と飛鳥園 100年の旅」に行ってきました。
10代の頃から奈良・京都を散策してきた私が、旅のバイブルとしていたのが姫路市出身の和辻哲郎が記した『古寺巡礼』(大正8年初版)。
この本の挿入されている写真、大正13年の改訂版からは小川晴暘が撮影したものが使われているんです。
奈良にある仏像撮影専門写真館「飛鳥園」が創立100周年を迎えた記念の企画展ということですが、飛鳥園を創設した小川晴暘(1894-1960)も姫路生まれなんやて。
そりゃ行かねば、なるまい!!
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飛鳥仏、天平仏、白鳳仏の写真の数々。晴暘のモノクロ写真、跡を継いだ息子、小川光三のカラー写真。うーん、どちらも感動!
実物の仏様を拝むのもいいですが、写真になると迫力が違う。
構図、ライティング、カメラマンのセンス。ホント凄い!
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展示に感動して美術館を出る際、振り返って煉瓦造りの外観を。
姫路市立美術館は明治38年~大正2年に造られた建物で、第2次大戦中まで使用されていた「旧日本陸軍第十師団」の兵器庫跡として有名な建物なんです。
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大戦中、姫路市も大規模な空襲を受けています。
その痕跡は姫路城の南西、国道2号線に架かる「白鷺橋」の欄干に。
また、市内のあちこちで行われている工事現場の地中にも。
世界遺産として多くの外国人が訪れる「姫路城」。
こう見ると奇跡的に空襲を免れた姫路城は市内の焼け野原を見た生き証人と言えます。
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今、世界中では紛争や戦争が続いています。
築城以降被災を免れ、400年以上もその姿を留める白亜の城を見上げて、
暑い暑い令和6年8月に平和の尊さを実感しています。