若い頃に先輩によく言われた、
「発掘調査が終わると、遺跡はその姿が消されてしまう。だから記録を取り、後世に伝えなきゃ。ちゃんと記録を取らないと、あなたの手で先人が生きた証しを消すことになるんですよ」
若い頃に先輩によく言われた、
「発掘調査が終わると、遺跡はその姿が消されてしまう。だから記録を取り、後世に伝えなきゃ。ちゃんと記録を取らないと、あなたの手で先人が生きた証しを消すことになるんですよ」
4月某日、今回の調査地にmatsuuraの『たのきんトリオ』(たのきんトリオなんてもう誰もしらないかっ)で赴き、新点を設けて座標の引き込みをしてきました。
きっちりとした性格の測量士さん、いつも冷静沈着、写真測量のエキスパートでもある測量士補さん、そして雑な性格の私(文化財調査員)。
話は変わって、この3人、実は1965年生まれの同学年。
1965年といえば東京オリンピックの翌年ですが、大阪万博の開催が決まった年でもあります。1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)、メインテーマは「人類の進歩と調和」だったとか。小さい子を連れていたご両親、または青春真っただ中だった恋人たちには遠い記憶、当時、物心ついたばかりの子どもたちはもう還暦近く。しかし、万博記念公園には今も「太陽の塔」がそびえ立ち、半世紀以上も前なのに人々のレガシーに。
古代人にはレガシーという感情がないため、地上に残るのは穴だけに。どんな建物が建っていたのだろう?何に使った穴だろう?今判明しなくてもいずれはっきりとした遺構が確認されれば・・・。そのためにもしっかりと記録を。
人類が進歩した今だからこそ、発掘調査での記録は大切なんです。
この第1歩が座標の引き込み。いい加減にはできませんよと先輩の言葉が蘇りました。
2年後開催される大阪・関西万博。メインテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
未来社会をデザインするには年が行き過ぎましたが、これからも『たのきんトリオ』は頑張ります。
実はmatsuuraには『ピンクレディー』も・・・。