九州の話を少し。学問の神様として知られる福岡の太宰府天満宮、ここでは鬼追いのことを「鬼すべ」と言います。
無病息災を願う事には変わりませんが、鬼すべ堂で繰り広げられる鬼と人間の戦いは圧巻です。燻手(すべて)と呼ばれる祓い役が堂内の鬼を追い払うためにお堂前に焚かれた業火の煙を大うちわで送り込む。鬼を守る鬼警護たちはお堂の壁を一斉に叩き壊し、煙の侵入を阻む。しかし、最後には豆を投げつけられて鬼は退散していきます。
ここでは、鬼は悪者、嫌われ者なのです。姫路は神仏の化身、所変わればと言うやつですね。
しかし、姫路には子どもの鬼もいるんだなぁ。
地域の祭りに参加し、仲間をつくり、少しづつ社会のツールを覚える。地域の祭りは通過儀礼であり、参加することで子どもたちは成長していきます。小さい子は親に手を引かれ、抱きかかえられながらお堂を回る。子どもの健やかな成長は親の最大の願いでもあるのです。
こうした伝統行事が末永く続きますように。
ちなみに子どもたちの遊びである「鬼ごっこ」。これも鬼追いから来ていると言われています。