発掘調査をしていますと、よく尋ねられます。

 この穴なナニ? どうして判るの? 何時代なの? どうして判るの?

数百年前に掘られた穴が長い年月をかけて埋まる。その埋まった土を丁寧に除かないと穴の形が見えてこない。慣れていない人が見ると検討がもつかない。当然の疑問です。

遺跡発掘では、昔の人が生活していた地表のことを「遺構面」と呼んでいます。

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遺構検出
 色の違いが判りますか?真ん中の線から右が遺構面、左のやや黒い土が穴が埋まった痕跡。
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大溝
 黒い土を除去すると、800年ほど前の溝の姿が現れます。

現代の地表の下、先ずはこの面を探さないと。遺構面が確認できると次は生活の痕跡(遺構)の確認作業、丁寧に見極め検出していきます。

周囲の土と違う色、砂粒の大小、土器や炭が集中している部分などなど。

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溝の証拠
 奥の壁、レンズ状に土が堆積しています。
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遺構検出
 ここにも黒ずみが・・・
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完掘
 丸い穴や小さな溝が現れました!

 遺構を掘ると、土器などの遺物が出土します。

 ここでまた、疑問残の声が。

 そんな小指の先ほどの土器の欠片で何が判るの?持って帰ってどうするの?

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出土した土器
 先ほどの大きな溝からは瓦や土器が出土。その中には小指の先ほどの土器片も。
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白磁片
 たくさんの土器の砕片に混じって、白磁が出土しました。
 いえいえ、昔、人が生活していた証しですよ!!この小指の先程の欠片からでも色々と判るんです!!

 おっ、この皿の破片には底の部分に糸で切り離した痕が!

 たくさんの土器の欠片の中に、13世紀に流行った白磁は混じっている!!などなど。

  おもしろいでしょ?発掘調査って。みなさんも是非疑問を持ってみては。

 

 『人は答えを得た時に成長するのではなく、

         疑問を持つことができた時に成長する。』(彫刻家・外尾悦郎)